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03/27

東日本震災で孤立した石巻市の雄勝半島。
医師がいない状態が続いたこの地域に、
国際医療支援に取り組むNGO「ジャパンハート」
(東京都台東区)の医師石田健太郎さん(28)が入り
避難所で診察に当たった。「大丈夫の一言が何よりの薬」
こう振り返る石田さんは、前向きに生きようとする
被災者の姿に感銘を受けたという。

雄勝半島は津波により通じる道路が崩れ、
インフラも途絶した「陸の孤島」となった。
ヘリコプターなどで医療物資は届いたが、
人が出入りできるのは干潮時のみ。
長時間診療する医師はおらず、医師が来る
前に避難所で亡くなった高齢者もいたという。

石田さんが駐在した大須小学校の避難者は
約600人。みな不安な表情で、
診察が始まるなり100人以上が殺到した。
石田さんは安心させようと、診断を告げる前に
まず「大丈夫だよ」と声を掛けた。
症状はさまざまだったが、その一言で、
みんな生き返ったように表情が和らいだという。

声をかけ続けた結果、翌日以降は混乱も収束。
石田さんは「薬よりも安心できる一言が
大事なんです」と強調した。

服薬記録や検査器具が全て失われた中での
診療は困難の連続。患者との会話だけで
必要な薬や体調を推し量る手探りの診療で、
神経はすり減った。
それでも、「こんな若い医師でも必要として
くれると実感できてうれしかった」と振り返る。

避難所で過ごす中で感銘を受けたのは、
悲しみに下を向かず、役割分担しながら
復興について話し合う被災者の姿だった。
石田さんは「支えられるだけではなく、
強く前向きに生きようとする人ばかりだった」
と感慨深げに話し、
「これからも人のために頑張りたい」と、
目を輝かせた。 

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